てんかんを患っている方が受診するのは何科なのでしょうか?
また、今受診している科が適正なのか迷う、ということがあるかもしれません。
この記事ではその参考となる情報について説明していきたいと思います。
てんかんに関連する医療体制について
少し広い話題ですので、簡略的に医療体制についてお話したいと思います。
医療機関は、大きくその規模や専門性において1次~3次医療機関などと分類することがあります。
おおまかに1次医療機関は、クリニックや診療所、3次医療機関は大学病院や専門的な医療機関です。
軽症な方は、小さな病院の方が待ち時間やアクセスなどの面でメリットは大きいことが多いですし、重症な方や専門医療が必要な方は、より大きな・もしくは規模だけでなく専門的な医療機関を受診した方が良いかもしれません。
また、それらの医療機関を受診目的に応じて使い分けている場合もあります。
例えば、難治なてんかんの患者さまで、薬剤の調整は専門的な医療機関で行い、普段の風邪などの場合は、近医のクリニックを受診している場合などです。
また、てんかんの場合で言うと、発作の時に急いで受診したい場合と、じっくりと今後の治療などを相談したい場合があると思います。
このように必要に応じて、受診する科について検討する必要があります。
その方の病状と医療機関や担当医により、包括的に診療する場合と、個別に対応して診療する場合はまちまちだと思います。
こどもの場合
小児の場合は、やはりまず小児科に受診する場合が多いと思います。
おおまかに、
軽症で病状が安定している場合は、1次から2次医療機関
難治の場合や特殊な事情がある場合は、てんかん専門施設や小児病院、大学病院
などが検討されます。
小児科の場合は、施設によっては包括的に発作時の対応も、普段の外来診療も小児科で行うこともありますし、施設によっては受診の目的に応じて分担していることもあります。
大人(成人)の場合
おおまかに、内科(神経内科)、精神科、脳神経外科に受診することが多いです。
それぞれの診療科で、得意分野が異なる場合があります。
また、医師によっては、てんかんの専門性を標榜して包括的に診療されている場合もあります。
例えば、てんかんの外科治療を検討する場合は、脳神経外科になりますし、てんかんに精神的な併存症を抱えている場合は精神科を受診するなど、の場合があります。
また、発作の時は救急部の先生と協力している場合があります。
このように、その方の病状や医療体制により、受診する方法はかなり幅があります。
やはり、普段からどのように対応していくかを、ぜひ主治医と話し合ったおくことが最も大切だと思います。
受診科以外の医療体制
てんかんの診療は、様々な部署との連携が大切です。
例えば、臨床心理士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの先生方です。
食事療法をされている場合は栄養士との連携が重要です。
また、普段の生活のこと、診療中に聞けなかったことなどのご不安は、看護師がサポートしてくれるかもしれません。
最後に
このように、てんかんの診療は、ご病気の特性上「薬を出して終わり」ではなく、その方の病状(治療・併存症)やライフスタイルを考慮した全人的な対応が大切です。