抗てんかん薬の治療計画(薬をいつ始めるか、止めるか)

てんかんの治療で欠かせない薬による治療ですが、具体的にどのようにすすめていくのでしょうか。

薬は飲んだ方が良いのか、飲まない方が良いのか。

もし、飲むのであれば一生飲まなければいけないのか。

このようなご不安に少しでもお答えできればと思います。

いつ薬を始める?

抗てんかん薬は、発作の予防を期待して飲む薬です。

しかし、副作用もあります。

毎日、1日1~3回欠かさずに飲む必要があります。

これは簡単な事ではありません。

また、発作がしばらくないからといって勝手に止められるわけではありません。

薬の量や種類によっては体に変調をきたす可能性があるからです。

薬を始めるのは、今後起きるかもしれない発作を予防するためですので、医学的に今後も発作を繰り返す可能性が一定以上あるだろうという医師の見立てのもと治療が開始されます。

ひとつの目安は、発作を2回以上繰り替えている場合に、発作を繰り返してしまうリスクが、ある一定以上あるだろうと判断されることが多いですが、発作の間隔、状況、脳波所見などを総合して判断する必要があります。

治療には当然、その方のライフスタイルや志向なども関係してきますので、医師の見立てと、大人であればご本人、こどもであれば保護者+本人の考えをすり合わせて薬を飲む、という選択肢がうまれてきます。

薬を飲んで治療を継続するということ

繰り返しになりますが、毎日決まった時間に欠かさずに薬を飲むということは簡単ではありません。出来てあたり前ではないのです。

欠かさずに内服できていることがすごいことです。

いつ薬を中止する?

残念ながら発作が安定しない場合は、薬の継続が必要になることが多いです。

もし、薬剤が効いて、もしくは自然に終息して発作がない場合は、その期間を2~3年間維持してから徐々に減量中止することを検討できます。

薬は副作用もあるので、止められる可能性があるのであればトライ、ということを勧める場合もありますが、注意が必要なのは薬剤減量中止により発作再発の可能性があるということです。

これまでの治療計画と同様に発作再発を避けるために薬を継続することも治療戦略のひとつです。

やはり薬を止めることのメリットとデメリットを天秤にかける必要があります。

この判断には、例えばこどもか大人か、社会的責任、ライフスタイル(一人暮らし、仕事で車が必要、妊娠の可能性のある女性など)により様々です。

最後に

てんかんはやはり最終的にその方の状況により様々ではありますが、当サイトの情報が、その判断のもとになる情報となりましたら幸いです。