ここでは、小児科医・小児神経科医の視点からみた小児における発達とは何か、について記載しています。
はじめに
小児期は、心身ともに発育・発達し、人格・社会性が形成される時期です。
様々な環境や関わりとの相互作用により、発達していきます。
関わりは、新生児期・乳児期は主に大人(両親など)との関わりが主ですが、徐々にこども同士の関わりが始まっていきます。
これらの相互関係により、自分の肯定感・主体性を獲得して人の信頼感を積み重ねていきます。
こどもは、ひとりひとり異なる資質を備えており、発達の段階には個人差が大きいといえます。
乳幼児期
外界の環境を、感覚を用いて受容していく時期です。
視覚、嗅覚、聴覚、触覚を用いて受容した周囲の環境に対して、徐々に泣く・笑うなどの表情の変化から始まり、喃語、発語へと自ら発信するようになります。
発信は、初めは単純な要求から始まり、徐々に他者への働きかけに発展し相互関係へと発展します。
幼児期の経験を通して、自分で出来ることが増えて自律性が増していきます。
友達との遊びや行動を通して、社会性の基礎が築かれます。
学童期
徐々に言語能力が発展し、行動が社会へと広がる時期です。
集団や社会のルールを守る、規範などの基礎を形成します。
学童期の後半になると、抽象的な思考へと広がり、これまで自己の視点のみであった観点が、他者の視点に立った理解が確立します。
発達段階
粗大運動 | 微細運動 | 社会性 | 言葉 | |
出生 | ||||
2か月 | あやすと笑う | |||
4か月 | 頚定(首がすわる) | |||
5か月 | 寝返り | 喃語 | ||
7か月 | 支えなしで座る | 人見知り | ||
8か月 | はいはい | |||
10か月 | つかまり立ち | |||
11か月 | 伝い歩き | |||
1歳 | 独歩 | なぐり書き | 指差し | |
~1歳半 | 2-3個の積み木をつむ | 簡単な言葉の理解 | 意味のある言葉 | |
2歳 | その場でジャンプ | 2語文 | ||
3歳 | ボールを投げる 階段の昇降 | 丸を書く はさみで切る | トイレに行きたいことを他者に教える | 大小が分かる 色が分かる |
あくまでこれらは目安になります。
記載している時期までにできないといけないわけではありません。