ここでは、内側側頭葉てんかん、外側側頭葉てんかんの発作徴候についてまととめています。
まずは、内側側頭葉てんかんから
前兆
Auraは嗅覚性、味覚性、自律神経性(顔面紅潮・蒼白、散瞳・頻脈など)が多い。
上行性不快感(epigastric rising sensation)が有名で、不安や恐怖などの感情の変化を伴うことがある。
発作症状
発作症状は、Auraに引き続き、意識減損、動作停止、一点凝視、口部自動症(oral automatism)や身振り自動症(gestural automatism)が認められる。
発作後の意識障害は、言語優位側焦点の方が強い。
しばしば、逆行性健忘や一過性失語(言語優位側)が認められる。
発作後に焦点と同側の手で鼻をこすることがある(postictal nose wiping)。
内側側頭葉てんかんにおいて右起始の方が、頻脈の開始が早い
Kato K, Jin K, Itabashi H, et al. Earlier tachycardia onset in right that left mesial temporal lobe seizures. Neurology 2014; 83: 1232-6.
小児
小児では、前兆の把握が困難で、hypermotor seizureを呈することが少なくないため、しばしば前頭葉てんかんと診断される。
幼児期の自動症は単純な動作の繰り返し(lip smacking、hand fumbling、blinking)が多い。
6歳以降になってくると側方性を示すversiveや上肢dystoniaなどが明らかになり、自動症も複雑なものになっていく。
外側側頭葉てんかん
外側側頭葉てんかんの前兆は、聴覚性、視覚性、経験性(既視感・deja-vu)、未視感(jamais vu)、夢様状態(dreamy state)、言語障害(有意側)が多い。
外側側頭葉てんかんの方が、二次性全般化が多い。