発作時の対応法

ここでは発作時の対応法について記載していきます。

これまでの記事でも書いてきました通り、発作のかたちや頻度はその人により様々です。

したがって、発作時の対応についてもその人によって異なります。

緊急の対応が必要な発作もあれば、様子を見ていても大きな問題がない発作もあります。

ここでは、まず一般的にどのような発作が緊急性が高いと思われるか考えていきたいと思います。

やはり代表的なものは、いわゆる全身の「けいれん」で、しかもそれが長い時間続くタイプです。

長時間におよぶ発作を「けいれん重積」や「てんかん重積」などと、呼称します(正確には「てんかん重積状態」です)。

長時間とはどれくらいでしょうか。

以前は30分間以上という考えもありましたが、最近は10分間以上(場合により5~15分)という考えがあり、専門家も時と場合により定義を使い分けている場合があるとこがやや複雑です。

多くの場合、全身のけいれんは5~10分間以内に自然に止まります。しかし、10分以上けいれんが続いてしまった場合は自然に止まる可能性が低くなってしまいます。

実際のところは、けいれんが数分以上続いて(これでも体感ではかなり長く感じると思います)自然におさまる気配がなければ、てんかん重積・けいれん重積として、けいれんがあさまらない可能性を考慮して対応してよいと個人的には考えています。

具体的な「対応」とは何でしょうか。

周囲の安全確認(熱いものがないか、ぶつけて危ないものはないか)、体勢を整える(寝かせて顔か体を横に向ける)、周囲にひとがいれば助けを求める、時間を測る、発作を観察する、場合により救急車を呼ぶ、などです。

発作中に意識を確認することは良いですが、体を無理に押さえつける必要はありません。

また、発作中に唇や舌を噛んでいることがありますが、絶対に口のなかにものは入れないでください。口の中を傷つけてしまったり、最悪の場合窒息してしまうことがあます。

発作に前後して吐いてことがあります。窒息しないように、顔か体を横にして下さい。また、発作直後に何か(薬など)を飲ませることも同様に危険な場合があります。

その方によっては、発作時に使う薬について処方を受けている場合がありますので、処方医の指示に従ってご利用下さい。

けいれんのないただぼーとするだけで終わる発作、一瞬のぴくつきのみの発作は一般的に緊急性が低いことが多いです。

これまでにてんかんと長らく付き合いのある方は、自分の「普段の発作」をご存知の方が多いと思います。普段と発作と違う発作が現れた場合も、少し急ぎの相談や受診(必ずしも救急受診というわけではなく担当医とご相談頂くという意味)をお勧めすることが多いかとも思います。

発作の対応法について一般的な事項をまとめました。すでにてんかんと診断を受けて担当の医師がいらっしゃる場合は、てんかんのタイプによっても対応法が異なる場合がありますので、やはり担当医に発作の時の対応法をご確認下さい。