ぺランパネル(フィコンパ®)

ここでは、ぺランパネル(フィコンパ®)について説明しています。

はじめに

いわゆる新規抗てんかん薬と呼ばれる比較的、日本では新しく承認された抗てんかん薬のなかにぺランパネル(フィコンパ®)という薬剤があります。

この薬剤の特徴について説明します。

作用機序

ぺランパネルの特徴のひとつに特有の作用機序があります。

興奮性神経伝達物質の代表的なものにグルタミン酸があります。

グルタミン酸の受容体には、シナプス後膜にNMDA受容体、AMPA受容体、カイニン酸受容体があります。

ぺランパネルにはこれまでの薬剤にはないAMPA受容体の選択性な非競合拮抗薬として作用があります。

てんかんの治療をする際に、合理的な薬剤選択を行うひとつの根拠に薬剤の作用機序があります。

過去に内服して薬剤が、もし無効であった場合に、次の薬剤を選択する際に同じ作用機序の薬剤よりも別の作用機序の薬剤を選択することがあります。

その点、これまで様々な薬剤が無効だった場合に、新たな作用機序の薬剤を試みることを検討してみても良いのではないかと思います。

薬物動態

また、ぺランパネルの大きな特徴は、半減期が長いことです。

血中濃度消失半減期(t1/2)は約105時間と言われています。

これまでの多くの抗てんかん薬の半減期は数時間から数十時間ですので、ぺランパネルが特に長いことが分かります。

これによる良い点としては、1日1回就寝前のみ内服で治療が可能なことです。

抗てんかん薬は一般的に毎日、数年間以上内服することが多いことから内服回数は大切です。

多くの場合、抗てんかん薬は1日2~3回内服します。

薬物相互作用に関しては、カルバマゼピンやフェニトインといった酵素誘導系薬剤との併用によりぺランパネルの血中濃度が下がることが知られています。

適応・副作用

適応は12歳以上のてんかん患者の焦点発作(二次性全般化発作を含む)および強直間代発作です。

副作用にはめまい、傾眠、頭痛、ふらつき、などがあります。

また、攻撃性、易怒性などの精神的な副作用も報告されています。

進行性ミオクロニーてんかんに対してぺランパネルが有効な可能性がある、と報告されています。

進行性ミオクローヌスてんかんに関しては以下の記事もご参照下さい。

「進行性ミオクローヌスてんかん」

最後に

当サイトは、可能な限り客観的に薬剤の特徴について述べることを試みています。特定の薬剤の使用を推奨するものではありません。