てんかん重積状態の治療

ここでは小児のてんかん重積状態の治療について説明しています。

ミダゾラム頬粘膜投与製剤

てんかん重積状態は早期な治療介入が必要な状態です。

てんかん重積状態が継続することにより、永続的な後遺症が残る可能性があるにも関わらず、一度けいれんが持続すると自然に消失する可能性が低くなります。

2020年9月にミダゾラム頬粘膜製剤(ブコラム®)が承認されました。

これによりこれまで医療機関に到着するまでに治療が開始することが可能になる、という極めて重要な治療が可能になりました。

これまでは、てんかん重積状態に対する病院到着後の治療として、静注用のミダゾラムを鼻腔内・口腔内に噴霧、筋肉内注射、ジアゼパムを注腸するなどの方法を医師の判断で用いていました。

しかし、それよりも早く承認された薬剤を使用できることは、てんかん重積状態の治療戦略に大きな役割があると考えられます。

年齢に応じて製剤が決まっております。

副作用のなかで特に重要なのが呼吸抑制です。

今後も投与される症例が増えていくなかで大切なのが副作用が出現した際の管理ではないかと思います。

薬剤の特性上、早く効果が出てほしいですが、その分副作用が出現するのも病院到着前になってしまう可能性があります。

しかし、このような点を考慮しても、てんかん重積状態が確立する前の状態で治療介入が可能になったことは大切であると思います。

特に、Dravet(ドラべ)症候群のようにてんかん重積状態になりやすいことがあらかじめ分かっている患者さまなどにはとりわけ重要と考えます。

「ドラべ症候群(Dravet症候群)」