ここでは、発達障害とは何かについて大まかにアウトラインを説明したいと思います。
発達障害は、近年とくに社会的に注目されていて、ただの「疾患」としてのみではなく誰でも関連することがある重要な概念です。
しかし、疾患の特殊性から診断や病名などが数年ごとに変わっていて、適切に理解されているとは言い難いと思います。
それでは、はじめていきたいと思います。
発達障害とは
用語から整理していきましょう
発達障害は、最近の診断基準では「神経発達症」とも呼ばれています。
呼称を変えようというひとつの理由は「障害」という言葉の是非と、「発達」という言葉が疾患概念とマッチしているか疑問であることです。
ただ、この記事では良く知られている発達障害という言葉を敢えて使っていきます。
まず、「発達(development)」という言葉は、受精から(生まれる前から)亡くなるまでの、人の身体的、社会的、情緒的な量的・質的変化のことを言います。
しかし、分かりにくいことに、例えば身長や体重が増えにくい病気を抱えるお子様は「発達障害」ではなく「発育障害」の方が適切な用語になります。
さらに、「障害」という言葉も、いわゆる「発達障害」とマッチしているか、難しいところです。
なぜなら近年注目されているように、いわゆる発達障害の特性をもち、それにより困っている方もいらっしゃるからです。
現在は、それらの境界にいる特性をもっている方々をすべて「障害」という言葉を含んだ「発達障害」と診断すべきかどうかに混乱があるように思われます。
どんな病気があるの?
発達障害にはいくつかタイプがあり、自閉症(自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害などがあります。
これらは全くと言ってもいい程、「見た目」が違います。
どのようなことで困っていらっしゃるかが全く違うのです。
しかし、共通しているのは脳の一部に苦手なことがあったり、少し偏りがあったりすることにより、社会性や情緒、学習における困難さが出てきて、サポートが必要である、という点です。
これらの特性は幼児期から出現していることがほとんどです(幼児期から困難感が明らかである、という意味ではありません)。
また、たとえ同じ病名だとしても重症度を含め個人差がかなり大きいです。
また、虐待や不適切養育(マルトリートメント)を受けているこどもは、一見発達障害のような症状を認めることがあります。
どうすればいいの?
発達障害でもうひとつ難しいことがあります。
それは、じゃあどうすればいいのか?という対応方法も個人個人違うという点です。
なぜなら、発達障害はあくまでいろいろな病気の総称であり、さらに個人差も大きいからです。
ただ、この記事で一番お伝えしたいのは、発達障害の症状や特性を本人や家族・周囲がよく理解して、対応することにより、その人の生きやすさが増して、本来の能力を発揮しやすくなるかもしれない、という点です。
今は様々な情報が溢れていますが、まずはご本人や周囲の方の困りごとがあり、困りごとは何に起因するのか、そこから発達障害の理解が始まると考えられます。
小児期から考えることとしては、こどもの時はできないことや苦手なことがあって当然だと思います(大人でもそうですね)ので、ただ本人が過ごしやすくなるための知識や経験を積み重ねて大人になった時に困ることが軽減する手助けをすることが大切です。
最後に
自閉症、ADHDに関しては個別に記事で説明したいと思います。
発達障害とてんかんとの関連性についてご興味がある方は以下の記事もご参照下さい。
簡単ではないと思いますが、少しでも当サイトの情報がお役に立ちましたら幸いです。
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