ここではてんかんの治療法にはどのようなものがあるのか?ということついて概要を簡単に説明していきたいと思います。
それぞれの治療法については別の記事でも解説しています。
この記事ではあくまで概要を広く浅く知るための記事になります。
はじめに
色々な治療法があるため、ひとつひとつ説明していきたいと思いますが、まず一番大切なことからお伝えします。
それは、当サイトでもよく出てくるてんかんに罹患している患者様の多様性についてです。
てんかんは慢性的な脳の状態であることは、以前に触れました。
ときに自然に終息する(何も治療しないで自然に治る)タイプも存在しますが、多くの場合、長く付き合っていくタイプのご病気になります。
すなわち、その方のてんかんのタイプや、その方の生活、その方の将来のライフプラン(学業、仕事や結婚・妊娠、自動車運転免許の取得など)によっても治療法や薬剤選択が異なってきます。
てんかんを患っている方の妊娠・出産や葉酸についての話題は、「てんかんと妊娠(葉酸)」という記事がありますのでご参照下さい。
大切なことは、これらのことをできれば担当医、ご家族などと見据えながら治療計画を立てていくことだと考えています。
そのために当サイトの情報が少しでもお役に立てれば幸いです。
1.薬剤治療
多くの場合、てんかん治療の重要な位置を占めるのが抗てんかん薬による薬剤治療です。
抗てんかん薬を毎日内服して、発作の予防を目指します。
利点は、以下の治療に比べて負担が少ないこと、欠点は薬の副作用が出てくる恐れがあること、などです。
抗てんかん薬に関しては、「抗てんかん薬について」、「抗てんかん薬の治療計画(薬をいつ始めるか、止めるか)」、「抗てんかん薬の種類」、「抗てんかん薬の副作用」、「抗てんかん薬の血中濃度」という記事がありますので、ご参照下さい。
2.外科治療
薬でのコントロールが難しい場合に外科治療を検討することがあります。
てんかんに対する外科治療は大きく根治術と緩和術になります。
根治術とは、発作の焦点を切除しててんかんの根本的な治療を目指すものです。
海馬硬化を伴う側頭葉てんかんのように、手術による有効性が確立しているてんかんもあります。
緩和術とは、手術の目標が発作の消失ではなく、
発作の頻度を減らす、発作の強度を下げる、転倒発作を代表とする危険な発作を改善する、などを目的とした治療です。
迷走神経刺激療法や脳梁離断術などがその代表になります。
その方のてんかんのタイプにより、この治療手段を選択する必要があるかどうか判断していくことになります。
3.特殊治療
上記以外の治療には、ケトン食療法や免疫療法(ACTH療法、ステロイド治療など)があります。
特殊なてんかんのタイプの場合(例えばウェスト症候群やグルコーストランスポーター1欠損症など)に治療選択に取り入れることがあります。
最後に
どの治療を選択するとしても、メリット・デメリットがあります。
主治医とご相談のもと治療計画を組み立てて頂くことをお勧めします。