ここではてんかんというご病気を抱えながら、生活していくにはどのような点に注意すると良いのか、という点について説明していきたいと思います。
別の記事でも述べました通り、てんかんの治療には薬の内服、手術などがあります。
普段の生活に気を付けることは、それらと同様、もしくはそれ以上に大切だと思います。
てんかんはいわゆる慢性疾患で、期間の差はあれども、ある程度ご病気を抱えながら生活していくタイプのご病気だからです。
治療のゴールのひとつは、「治療」と「少しの日常生活の注意」で、てんかんではない方々と変わらない生活を送れることです。
睡眠
睡眠はとても大切です。てんかんの方の病状にもよりますが、タイプによっては如実に睡眠不足が影響して発作を引き起こしてしまうものもあります。
ただ、何時間寝れば絶対に大丈夫というわけではありません。
その方によって適切な睡眠時間は異なります。日中に眠くなってしまう、平日は学校・仕事で早く起きるけれども週末はずっと寝ている、などの場合は睡眠が不足しているサインかもしれません。
当然、小児においても同様ですが、その場合は年齢を考慮する必要があります。
例えば、赤ちゃんの場合は睡眠が細切れでも正常である、などです。
風邪
発作の誘因となり得る代表的なものにいわゆる「風邪」があります。もっと広い意味では体調不良ということになります。
風邪を絶対にひかないようにすることは難しくと思います。
例えば、マスクをする、人ごみにいかない(今はご時世的にそのようにされている方も多いとおもいますが)、手洗いうがいをする、体調が悪い人との接触を可能な限り避ける、などの対策は出来るかもしれません。
しかし、場合により風邪などをきっかけに発作が良くなることもあります(風邪をひいた方が良い、という意味ではありません)。
その理由は完全に解明されておりません。
お風呂(水関係の事故)
お風呂、特に浴槽のなかで発作によりおぼれてしまう危険性があります。
入浴自体が習慣的な行動であり、特にこれまで普通に浴槽に入っていた方の場合には難しい問題もありますが、個人的にはシャワーのみをお勧めします。
その理由は、もっとも怖い事故は、たとえ水位が低くても溺れてしまうことだからです。
それ以外の対応としては、誰かと一緒に入る、細かに誰かが声をかけて確認する、お風呂の扉を開けたままにする、鍵は閉めない、などの対応があると思います。
予防接種
予防接種を実施することのメリットとデメリットを考慮して、判断します。
てんかんのタイプによっては予防接種に限らず発熱に反応して発作が起きやすいものがあります。
その一方で予防接種で予防できる可能性のある感染症に罹患してしまい発作が起こる可能性もあります。
予防接種は早期に打ってあげることで感染症の重症化を防ぐ役割もあります。
可能な限り発作を落ち着いている時期を担当医とご相談して頂き、接種時期を検討する場合が多いです。
最後に
よく話題になる事項についてまとめました。場合により追記を予定しています。
少しでもこの記事がお役に立ちましたら幸いです。