てんかんの合併症

今回はてんかんの合併症について書いていきます。

まず、一番大切で難しいポイントである合併症とは何かという点について考えていきたいと思います。

そもそも合併症とは、「ある病気や検査が原因になり、新たな病気を認める」ことを言います。

したがいまして今回は、「てんかんが原因で新たな病気が起こってくること」について説明していきます。

大きく分けて、発作に直接関連した状態と、てんかんであることによる二次的な問題に分けられます。

発作に関連して(時間的に前後して)、感情(怒りっぽくなるなどの性格が変わったような感じになる)や意識(ぼーとする)に問題が出てくる方がいらっしゃいます。これが発作に関連した状態です。

てんかんであることによる二次的な問題として、てんかんであることの日常的な問題や葛藤を反映して、自己評価が全体として低くなってしまい、自尊心などに問題があることがあります。結果的に、その方の生活の質を著しく下げてしまうことにつながるため、発作そのものに対する治療とともに、大変重要な問題です。

これは、なかなか簡単に解決できる問題ではありません。

さらに、難しいのはてんかんを引き起こした脳のご病気と、てんかんによって引き起こされた病気は区別が困難であることです。

例えば、小児においては発達障害が問題になることがあります。

複雑な点はある程度のところでおいておきまして、筆者が治療において大切だと思っていることとしては、ご本人の生活がより良い状態であることが治療の大原則であるということを、あらためてここで強調したいと思います。

それは、人によって発作がない状態のこともあれば、その人によっては発作がありながらも生活する状況のことかもしれません。残念ながら万能な治療は存在しませんので、より良い治療を担当医と考えていくプロセスが大切だと思います。

当サイトが、それに少しでもお役に立つことができましたら幸いです。