抗てんかん薬には様々な種類があります。
この記事は専門家向けではありません。
ご自身で薬の専門的な内容をすべて理解する必要はないけれども、自分が内服している薬を知りたい、もしくは担当医と薬について相談したい、といった方々を対象としています。
知っておくと便利かもしれない情報について記載していきたいと思います。
抗てんかん薬の種類はたくさんあります
日本では、2006年以降に抗てんかん薬が次々に承認され、それらの抗てんかん薬のグループをいわゆる「新規抗てんかん薬」と呼んでいます。
これらの薬の出現により、内服治療の幅が広がったと言えます。
しかし、それぞれの薬には異なった特徴があり、すべての違いを理解するのは難しくなってきています。
そういった事情もあり、2018年に日本神経学会から「てんかん診療ガイドライン2018」が発行されました。
てんかん診療ガイドラインに関しては、別の記事で取り上げていますので、もしご興味がある方はご参照下さい。
ここでは代表的な抗てんかん薬について説明します。
見出しには一般名(商品名)で記載しています。
バルプロ酸ナトリウム(デパケン®・セレニカ®など)
古くから最も広く使用されている薬で、様々なてんかんのタイプをカバーする薬です。
剤形が豊富です(シロップ、錠剤、徐放性製剤など)。
気分障害や片頭痛にも使用される薬です。
長期に内服していると体重が増えることがあります。
妊娠可能な女性の場合、可能な限り高用量の内服は避けた方が良いです。
レベチラセタム(イーケプラ®)
新規抗てんかん薬です。
比較的、広いてんかんのタイプに効果があります。
薬剤相互作用が少ない(他の併用している薬の血中濃度へ影響しない)ので、併用療法をされている方にも適しています。
気分の不調(いらいら、癇癪など)をきたすことがあります。
カルバマゼピン(テグレトール®)
古くから部分てんかんに用いられている薬です。
薬疹(皮膚の発疹)や重篤なアレルギー反応をおこす場合があります。
グレープフルーツを食べると、この薬の血中濃度が上昇することがあります。
エトスクシミド(エピレオプチマル®、ザロンチン®)
欠神発作に有効な薬です。
最後に
ここでは簡単に代表的な薬について説明しました。
あくまで薬の一般的な情報について記載しており、特定の薬剤の使用を推奨するものではありません。
今後、別の薬についてもご紹介していく予定です。