ここでは、てんかんと関連してAngelman症候群(アンジェルマン症候群)について説明します。
はじめに
Angelman症候群とは、乳幼児期からの発達の遅れ、てんかん、ふらついた歩行(失調歩行)を認め、とくに容易に引き起こされる笑いや、顔貌(大きな口やとがって突き出た下あご)などが特徴的な生まれつきのご病気です。
原因
原因は15番染色体に位置する刷り込み遺伝子UBE3Aの機能が失われていることによりAngelman症候群が発症することが分かっています。
多くの場合、この遺伝子変異がみつかりますが、臨床的にAngelman症候群に合致するすべての方にこの遺伝子変異が同定されるわけではありません。
また、遺伝子の変異による症候群ですが、まれな状態を除き遺伝性はありません(ご家族のなかで何人も発症はしません)。
症状
てんかんはAngelman症候群の重要な合併症のひとつです。
多くの場合、3歳までにてんかんを発症します。
それ以外には、失調性歩行という歩くときに両手をあげてぎこちない歩行を認めます。
容易に引き起こされる笑いや、興奮、多動のような特徴を認めることがあり、睡眠障害を併存することがあります。
また、水やビニールなどを好むという特徴もあります。
幸い内臓系の合併症は少ないとされています。
治療
治療は、様々な症状に対する対応・治療を組み合わせていきます。
運動に関してはリハビリ(理学療法、作業療法など)、睡眠障害に対してはその症状にあわせた薬剤治療を検討します。
てんかんに関しても、個々人にあわせた発作型や発作頻度にあわせて抗てんかん薬の治療を検討します。