小児欠神てんかん

今回は、小児欠神てんかんというてんかん症候群について説明したいと思います。

欠神発作とは

小児欠神てんかん(Childhood absence epilepsy: CAE)は、一言でいうと主に欠神発作を呈する小児期のてんかんです。

当たり前といえば当たり前ですが、まずは欠神発作について説明したいと思います。

下記は、イギリスのEpilepsy Actionという団体が学校の関係者のために作成し、YouTubeに公開している動画です。

Youtubeより引用

Epilepsy Actionはこれ以外にも良質な動画を公開していますので、興味がある方はご参照下さい。

動画にもありました通り、欠神発作は派手な発作ではないために見過ごされていることも多い発作です。

通常は数秒間のぼーとするだけの発作です。

欠神発作の前後に意識の障害はなく(もしくは少なく)、ぱっと動作を止めて、すぐに発作は終わり、終わったら何事もなかったかのように直前の動作を再開します(本人は意識減損してその間は意識がとんでいますので違和感を感じることがあります)。

多いと1日で数十回も認められることがあります。

転倒は通常みられません。

発作でぼーとしているときに瞬きをしたり、口を動かしたりすることがあります。

小児欠神てんかんとは

発症年齢は4~10歳で、5~7歳が最も多いです。

特にこれまで大きな病気や発達に問題ない小児が発症します。

多くのてんかん症候群は男児の方が少し多いことが多いですが、小児欠神てんかんは女児の方がやや多いです。

欠神発作が主な発作型ですが、全身のけいれんを起こすこともあります。

他にぴくぴくする発作(ミオクロニー発作)が頻発しているようであれば、他のてんかん症候群も考えなくてはいけません。

脳波では、特徴的な所見(3Hz棘徐波複合)が過換気(大きく息を吸ったり吐いたりすること)で誘発されます。

他の頭部画像検査などでは異常を認めません。

通常は年齢を経るとともに発作も自然に消失することが多い、予後の良いてんかんのタイプです。

しかし、発作が多いために日常生活への影響が出る場合がありますので適切な治療は重要です

治療

第一選択薬はバルプロ酸という薬です。

通常、小児欠神てんかんでは、この薬が良く効きます。

しかし、一部の方は発作が遅くまで(妊娠可能年齢まで)残存することがあるため、バルプロ酸には胎児のことを考慮すると女児では躊躇することがあります。

その理由は、てんかんと妊娠について別の記事にも書いていますので、こちらもご覧下さい。

バルプロ酸が無効な場合や、副作用のプロファイルなどを考慮した第二選択薬は、エトスクシミドという薬です。

これらの薬の副作用についても別の記事に書いていますので、こちらもご覧下さい。

最後に

小児欠神てんかんは比較的頻度の多いてんかん症候群ですが、発作が「小さい」ために見過ごされていることもあるてんかんです。

日常で発作が何十回も頻発することは、本人にとって「小さい」こととは言えないと思いますので、適切に診断し治療することが重要だと思います。