発作性運動誘発性舞踏アテトーゼ

ここでは、てんかんと類似する病態として、発作性運動誘発性舞踏アテトーゼについて説明したいと思います。

はじめに

発作性運動誘発性舞踏アテトーゼ(PKC; paroxysmal Kinesigenic Choreoathetosis、PKD; paroxysmal Kinesigenic Dyskinesia)は、特徴歴な症状・病歴(後述します)を呈するため、知っていれば比較的容易に診断は容易ですが、稀な疾患のため、医療関係者のなかでも認知されていないことがあります。

ここでは、その特徴について述べていきます。

診断

主に学童期に発症し、運動を開始するとき(まさに動き始め)に突然、ぴくっとする・体(多くの場合手足)が動かなくなる、手足がねじれる、といった症状を認めます。

しばらく運動を続けている時には症状は軽快します。

緊張している時や驚いた時、意図しない時に急に動き始めると症状が悪くなりやすいです。

多い場合は1日に何十回も症状が出現します。

血縁の家族のなかに同じ病気をもっている方がいらっしゃることがあります。

頭部MRIや脳波に異常を認めません。

原因

近年、原因遺伝子PRRT2が同定されました、

この遺伝子はPKCのみならず、良性乳児けいれんなど様々なけいれん性疾患にも関与しています。

乳児期に良性乳児けいれんを発症し、そのあと学童期頃にPKCを発症することがあるのは、同一の遺伝子が原因で、良性乳児けいれん+PKCを発症するからです。

すべてのPKCの方で良性乳児けいれんを発症し、PRRT2変異が発見されるわけではありません。

治療

カルバマゼピン(テグレトール®)が有効なことが多いです。

それ以外にもフェニトイン(アレビアチン®)やゾニサミド(エクセグラン®)という薬を使用することもあります。

予後

多くの場合、30歳以降に自然に症状は軽快します。

最後に

予後良好な疾患ですが、ご本人の生活の質を落としかねない症状を何回も繰り返します。

適切に診断し、治療を実施すれば通常症状はおさえることが可能です。

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