大田原症候群

この記事では、医療関係者向けに大田原症候群の解説をしています。

はじめに

大田原症候群は、年齢依存性てんかん性脳症の代表疾患です。

大田原先生が1976年に提唱され、新生児~乳児期早期に発症する重度のてんかんの一つです。

別名をサプレッション・バーストを伴う早期乳児てんかん性脳症といいますが、大田原症候群の方が国際的にも通っている名称です。

症状

新生児から乳児期早期という極めて早期に発症することが特徴です。

大田原症候群から点頭てんかん(ウエスト症候群)、Lennox-Gastaut症候群へ年齢とともに移り変わることがあります。

年齢依存性てんかん性脳症についてはてんかん性脳症の記事でもご紹介しています。

「てんかん性脳症について」

症状は、点頭発作が主な発作型で、覚醒時・睡眠時ともに認めます。

ときに焦点発作を併存しますがミオクロニー発作はまれです。

脳波

脳波では、1~3秒程度の棘波と高振幅な徐波が混在した群発と、3~4秒程度の抑制された活動を繰り返すことが特徴で、サプレッション・バーストと呼ばれます。

原因

原因は多彩ですが、片側巨脳症や皮質形成異常症を基礎にもつことも多いです。

また、様々な遺伝子変異が報告されています(STXBP1、ARX、KCNQ2など)。

治療

難治性で、各種の治療に抵抗性を示すことが多いです。

症例により各種抗てんかん薬、ケトン食療法、ACTH療法、外科治療(特に片側巨脳症、皮質形成異常)などを検討していきます。

予後

最重度のてんかん症候群で、一般的に発達は重度に遅れることが多いです。