ここでは、とくにてんかんと関連した脳の成熟と可塑性に関する事項を記載しています(工事中)。
小児てんかんにおける言語領域の可塑性
慢性的なてんかん性の活動が小児てんかん患者の言語能力に与える悪影響が考えられます。
しかし、発症年齢、領域、発作頻度、抗てんかん薬影響など様々な要因が複雑に関与しているため、解明は簡単ではありません。
fMRIによる小児てんかん患者の言語優位半球の側方性を検討した研究では、非典型的な側方性(右半球性、両半球性)の割合が多いことが分かりました[Yuan W, et al. Epilepsia 2006;47:593-600]。
これにより、小児期のてんかんが言語優位半球の可塑性に関連していると示唆されています。
どの時期のてんかん性活動が影響するのかに関して、Hertz-Pannierらは、いわゆる言語可塑性の臨界期・ウィンドウ期が最も重要ですが、それ以降にもある程度の可塑性があると報告しています[Hertz-Pannier L, et al Brain 2002;125:361-372]。
また、言語機能の可塑性には、もともとの両側半球性の言語機能や早期の回復が重要であると考えられます。
これらはレビューで良くまとめられています[Chou N, et al. Peditr Neurol 2018;78:3-12]。