この記事では、進行性ミオクローヌスてんかん(Progressive myoclonus epilepsy:PME)について解説していきます。
はじめに
比較的、稀なてんかんの一群に進行性ミオクローヌスてんかんがあります。
これらは、各疾患が集まった症候群であり、これから説明する症状、経過をもとに診断します。
症状
症状は、てんかん発作にミオクロニー発作を認める(他の全身強直間代発作なども併存することがある)、不随意運動としてのミオクローヌスを認める、小脳症状、認知機能障害を認める、などが主徴です。
さらにこれらの徴候を慢性的、進行性に認めます。
原因疾患
進行性ミオクローヌスてんかんを呈する疾患には、歯状核赤核ルイ体萎縮症(dentato-rubro-palido-luysian atrophy:DRPLA)、良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん(benign adult familial myoclonus epilepsy:BAFME)、赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(myoclonic epilepsy with ragged red fibers:MERRF)、Unverrivht-Lundborg病(ULD)、Lafora病、Gaucher病、神経セロイドリポフスチノーシス(neuronal ceroid lipofuscinosi:NCL)などがあります。
診断
様々な疾患があるため、確定診断はそれぞれの疾患によります。
しか、症状がそろい進行性の経過を辿った場合に疑われ、家族歴などを確認します。
上記の疾患の多くは常染色体劣勢遺伝です。
ただ、DRPLA・BAFMEは常染色体優性遺伝、MERRFは母系遺伝です。
体性感覚誘発電位(somatosensory evoked potential:SEP)でgiant SEPという特徴的な所見を認めることが多いです(DRPLA除く)。
治療
治療は原則的に対症療法になります。
てんかんに対しては、ミオクローヌスに有効とされる薬剤(VPA、LEV、PB、ZNSなど)を用いる場合が多いです。
近年は、ぺランパネルの有効性を示す報告が相次いでいます。