心因性非てんかん発作(PNES、偽発作)

ここでは、てんかんに似た徴候を示す状態のひとつとして心因性非てんかん発作(PNES)について説明したいと思います。

従来、心因性非てんかん発作は、偽発作やヒステリー発作とも言われてきましたが、適切な用語ではないという考えのもと、最近は心因性非てんかん発作、もしくはPNES(ピーネス)と呼ばれています。

はじめに

抗てんかん薬が効かないてんかんと間違われる状態として、心因性非てんかん発作は有名です。

一方で、実際のてんかん患者さんに心因性非てんかん発作も合併している割合は2~20%ともいわれ、真の発作とミックスして心因性非てんかん発作を認める方もいらっしゃいます。

決して珍しい状態というわけではないことがお分かりになるのではないかと思います。

てんかん発作と心因性非てんかん発作の見分け方

てんかんと心因性非てんかん発作は治療が異なりますので、鑑別(見分ける事)は大切です。

それでは、真のてんかん発作と心因性非てんかん発作はどのように見分けるのでしょうか。

しかし、実際は簡単ではないことも多いです。

その理由は、いつかあります。

まずは、てんかん発作も心因性非てんかん発作も様々なかたちがあり、人により、その人のなかでも一定しないことがあります。

また、発作の時に本人の意識がないことも多く、発作症状の確認は周囲の方の観察に基づくことも要因のひとつです。

当然、周囲の方がタイミングよく観察できないこともあります。

ただ、われわれが良く観察する鑑別のポイントを以下にお示しします。

けいれん(てんかん発作)心因性非てんかん発作
運動全身・手足をぎゅー・がくがくとさせる(強直と間代)首振りや腰振り、体をそらせる動き
白目・片方による(上転・偏倚)閉じている
失禁しばしばまれ
外傷打撲・舌をかむなどまれ
顔色蒼白・顔色が悪くなる正常・紅潮
記憶発作中の記憶はないことが多いまれ、発作中に意識あり
持続数分間数十分、それ以上

当然、これらのみで区別することが出来るわけではありませんが、観察のポイントとしても用いることができると思います。

最終的には、発作かどうかの鑑別のために脳波を検査して、脳波中に疑わしい動きが出現すると区別できることがあります。

ただこれは、検査中にその動きがでる必要がありますので、長時間の脳波検査が可能である程度頻度がある方にしか適応がありません。

治療・対応

心因性非てんかん発作を引き起こしている心理的な負担について評価、治療、対応を行います。

そのために心理社会的な環境調整が必要になることがあります。

具体的には、いじめ、学校不適応、家庭環境などが要因となり得るため、これらについて必要に応じて調整を検討します。

しかし、はっきりとした心因がみあたらない場合もあります。

場合により精神科と共同で対応にあたる必要があります。