抗てんかん薬を内服している時に、体の中でどのうような濃度になっているのかを確認するため、血液検査を実施することがあります
ここでは、どのような意味で抗てんかん薬の血中濃度を測定するのか説明したいと思います。
抗てんかん薬の血中濃度を測定する意義
抗てんかん薬は、てんかんに対して発作を予防するために毎日飲む薬です。
なかなか次にいつ発作が起こるのかを完全に予測することは難しいですので、今日は調子悪いから2倍飲もうとか、発作が起きなさそうだから2-3日間くらい止めてみよう、のように調整する薬ではなく、決まった量を決まった時間に内服する必要があります。
内服の回数は1日1回から3回です。
薬を飲めばじわじわと血中濃度があがり、次に飲む直前が血中濃度が下がっているように、1日のなかである程度の変動があります。
しばらく飲んでいると薬の血中濃度は安定してきます。
そのタイミングで、薬がそのひとの体のなかでどのように作用しているのかを判断するために測定するのが血液検査による血中濃度を測定の一つの目的です。
一般的に薬の血中濃度が高すぎると副作用が出やすいですし、血中濃度が低すぎて薬が効きにくいひともいます。
ひとつ注意点としては薬の投与量が少なくて血中濃度が低くくても、その薬が有効な方がいらっしゃいますので、血中濃度を測定することにより、その薬の有効性を判断するわけではありません。
あくまで発作がこれだけあった方が、薬を始めて発作がゼロ、もしくはこれだけ減りました、ということが有効性の判断になります。
一方、血中濃度が高すぎる場合は、気づきにくいものを含めて副作用が出ている場合もあります。そのような点に注意して診療することができます。
薬の代謝には個人差があります
経験上、薬の投与量と血中濃度は予測ができますが、薬の代謝は個人差が大きく、血中濃度も様々です。
それは、例えば年齢、体格、代謝酵素、併用薬など、多くの要因で変動していきます。
したがって、薬を安全に継続するために血中濃度の測定は役に立ちます。
どういう時に血中濃度を測定しますか?
これらの目的を達成するために、例えば、、
- 新しく薬を始めた時
- 投与量を増量・減量したとき
- 発作が再発してしまったとき
- 静注薬を使用したとき
- 副作用が疑われる場合
などが血中濃度を測定するタイミングの候補になります。
薬剤により血中濃度測定が、臨床的に出来ない場合、難しい場合もあります。
最後に
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