この記事は神経線維腫症について説明しています。
神経線維腫症1型
神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病、neurofibromatosis1:NF1)は、神経皮膚症候群のひとつです。
てんかんを合併することがあります。
神経皮膚症候群については以下の記事で説明していますので、ご参照下さい。
症状
多くの場合、皮膚のカフェオレ斑という所見で神経線維腫症を疑われます。
カフェオレ斑はほぼすべての神経線維腫症1型の方に認められ、出生時から認められ、小児期から増えてくることが特徴です。
思春期頃から皮膚の神経線維腫症を認めます。
皮膚以外には神経系、骨、目など、まれに心血管系の合併症が出現することがあります。
神経系の合併症としては視神経膠腫という腫瘍が発生することがあります。
視神経膠腫は眼球突出などの症状で気づかれることがありますが、無症状のことも多いため、症状が出現する前に定期的な検査を実施することが推奨されています。
てんかんは、このように皮膚や神経の腫瘍に比べればメインの症状とならないことが多いですが、6~14%で合併するといわれており、決して無視できない頻度と思われます。
また、神経線維腫症の合併症に発達障害もあります。
ADHDの合併は40~50%、自閉症スペクトラム障害は20~30%と言われています。
発達障害、ADHD、自閉症について以下の記事もご参照下さい。
神経線維腫症2型
神経線維腫症の2型は、主に神経系に多発性の腫瘍を生じる疾患です。
症状としては、聴力低下で気づかれる両側性の前庭神経鞘腫に、髄膜種、上衣種、星状細胞腫などを合併します。
これらの症状は、前庭神経鞘腫による聴力低下腫瘍以外には腫瘍が形成される部位にも異なります。
例えば顔面神経麻痺(顔の表情が動かなくなる)、嚥下障害(飲み込みにくくなる)、けいれん、麻痺(体のどこかが動かなくなる)など様々です。
また、血縁のご家族に神経線維腫症2型の方がいらっしゃる場合があります。
治療は、腫瘍のタイプ・部位・症状の進行性などにより外科治療・ガンマナイフ治療などを検討します。