良性乳児けいれん

ここでは、乳児期に発症てんかんのひとつである良性乳児けいれんについて説明したいと思います。

良性乳児けいれんとは

多くの場合生後4~8か月頃に発症します。

発作は、無熱性のけいれんを群発する傾向があることが特徴です。

群発とは、1回の発作は数分間くらいと短くいったんはおさまるですが、何回か繰り返すことを言います。

発症までに、特に発達など大きな病気をしたことがない方が発症します。

血縁の家族の方に、この病気の既往をもっていることがあります。

検査

脳波や頭部画像検査に異常を認めません。

診断は、臨床的な経過をみて行われます。

特異的な検査所見はありませんので慎重に経過を見ていかなければ他のてんかん症候群と区別が困難で、診断が確定しない場合もあります。

類似する病態に、胃腸炎関連けいれんがあります。

胃腸炎関連けいれんに関してはこちらご参照下さい。

治療

多くの場合、1歳6か月頃を過ぎると自然に発作は消失しますので無治療で経過観察をする、もしくは発作の群発を繰り返す場合にカルバマゼピン(テグレトール®)という薬を使用することがあります。

予後

自然に発作は消失し、発達の予後も良好な疾患です。

しかし、発作が消失し学童期になると発作性運動誘発性舞踏アテトーゼを発症することがあります。

発作性運動誘発性舞踏アテトーゼに関してはこちらをご参照ください。