失神

ここでは、てんかんと間違われやすい病気のひとつである「失神」について説明したいと思います。

失神とは何か?

失神では、急に意識を失い倒れてしまうことがあります。

似たような症状をてんかんでも認めることがあるため、てんかんを疑われることもありますが、てんかんとは違う病気で、治療も異なりますので適切に区別することが大切です。

失神は、脳への血流が一時的に減少して意識を失ってしまいます。

失神でも、倒れた後に全身にぎゅーと力を入れるなどのけいれんを認めることがありますので注意が必要です。

原因は多く分けて「神経調節性」と「心源性」の2種類に分けられます。

神経調節性では、例えばトイレの後、急に立ち上がった後、驚いた後、どこかにぶつけて痛みが出た時、などをきっかけに、顔面蒼白となり目の前が真っ暗になって意識を失ってしまう、というのが典型的な病歴です。

迷走神経反射とも言います。

失神の持続時間は一般的に1分以内と短いことが多いです。

心源性は、不整脈などで全身の循環が悪くなり、脳への血流が低下してしまう状態です。

失神を呈する有名な不整脈にQT延長症候群があります。

失神の場合は倒れた時に目を閉じていて、てんかん発作の場合は目を開けていることが多いです。

起立性調節障害

失神を来し得る代表的な疾患に起立性調整障害があります。

起立性調節障害とオーバーラップする病態に自律神経失調症というものもあります。

起立時(特に急に立ち上がった時)に脳への血流が低下することにより立ちくらみやふらつき、ひどいと気を失って失神します。

特徴は、朝に強く症状が出現する点です。

朝に起きられないという症状となることもあります。

診断は、症状と経過が合致するかどうかと、起立試験という検査によってなされます。

起立試験は、朝にベッドにしばらく横になってもらった後に、座ったり立ったりしたときの血圧、脈拍、心電図などの変動を調べる検査です。

また、場合により別の病気が隠れていないかどうかを調べます。

治療は、生活習慣の改善(急に立ち上がらないようにする、水分や塩分を多く摂取する、生活リズムを整えて運動する、などです)、薬剤治療などです。

最後に

失神は、比較的頻度が多くてんかんとの鑑別が重要な状態です。

検査も大切ですが、意識を失った時の状況を確認することは大切です。

どのような状況で、どのように倒れたのか、などの情報が診断のきっかけになることがあります。